工場機械の担保化

機械は動産であるために、本来質権の対象となるぺきものですが、工場に備えつけられ、生産用具として使用されている場合には、質権者に引渡すことができないので質権をこれに設定することができず、通常このような物件を担保として利用するためには、譲渡担保権や買戻特約付売買、代物弁済予約等の方法がとられます。また、機械は他工場抵当権や企業担保権の対象ともなり得ます。
工場抵当権の効力は、工場に属する土地、建物に附加して之と一体を成したる物の他、これらに備付けた機械、器具其の他工場の用に供する物に及びます。抵当権設定後工場に備え付けられた機械も、有効力の及ぶ対象となります。なお、機械は工場所有者の所有に属するものに限られますが、機械所有者の同意がある場合には、抵当権の効力が及ぶと解されます。

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機械に譲渡担保権が設定された後、工場抵当権が設定された場合には、直ちに他人の所有物として、機械に抵当権の効力が及ばないと解すべきではなく、譲渡担保権の担保としての機能に着目すれば、抵当権の実行により機械を競落した者は、譲渡担保権者に対し、債務を弁済してその所有権を取得することができるというべきです。
工場財団抵当とは、工場抵当と異なり、当然には工場に備付の機械にまでその効力が及ばないので、機械をその対象に含めたい場合には、工場所有者がこれを工場財団の組成物件の中に組み入れることが必要です。機械が抵当権、譲渡担保権等他人の権利の目的となっていたり、また、執行の目的となっているときには、組成物件とすることができません。しかし、法は仮に他人の権利の目的となっている場合でも、権利者に対し、一定期間内にその権利を申出るよう公告し期間内に権利の申出がない場合には、その権利は工場財団に対する関係において存在しないものとみなすとしています。
工場抵当権は民法の抵当権と同じであるために、その対抗要件は抵当権設定登記ですが、民法の場合と異なり、工場所有者は登記申請をする際には、抵当権の効力が及ぶ機械等を記載した目録を提出することになっています。この目録のことを第三条目録と呼んでいます。判例では、目録への記載を第三者に対する対抗要件と解しているので権利の優先順位は抵当権設定登記の前後によるのではなく、目録への記載の前後によることになります。
工場財団は、その所有権保存登記により成立しますが登記申請の際、工場財団の組成物件を目録に記載して提出することになっています。なお、工場に属する土地建物が工場財団の組成物件を構成しているときには、それらに備え付けられている機械等が目録に記載されていなくても、工場抵当権の規定が準用されるので、機械等に抵当権の効力が及びます。
工場所有者が、抵当権者の同意を得て、工場に備え付けられている機械等の備付を止めたときには、それらの物につき抵当権は消滅しますが抵当権者の同意を得ずに、第三者に処分し引渡をしても、抵当権は消滅せず、これを追及し得ることになれます。したがって第三者は、抵当権の負担のついた権利を取得するにすぎません。しかし第三者が抵当権の存在、または抵当権者の同意の有無につき、善意無過失のときは、抵当権の負担のつかない権利を取得します。
工場所有者が抵当権者の同意を得て、工場財団からそれに属する物件を分離したときは、その物につき抵当権は消滅しますが抵当権者の同意なくして分離処分したときは、抵当権の効力はこれに追及します。また工場財団抵当についても、工場抵当権の場合と同じく、民法一九二条の適用はあるとされています。工場備付の機械に譲渡担保権が設定された後、さらに、その所有者がこれに譲渡担保権を設定した場合には、後者が現実の引渡を受けて民法一九二条により権利を取得しないかぎり、前者の権利が優先すると解されます。

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