寄託商品の担保化

倉庫業者に商品を寄託した場合には、通常寄託者の請求により倉庫業者から有価証券である倉庫証券が発行されますが、これが発行されていないとき、寄託中の商品を担保化するには、第三者が代理占有している動産を担保に入れる場合と同じであり、特に問題はありません。つまり、質権、譲渡担保のいずれでも可能です。なお、この場合商品の引渡は、指図による占有移転の方法によることとなります。
倉庫証券には、預証券及び質入証券を二枚一組として発行し、質入証券により寄託品を質入しながら、預証券によりこれを他に売却することができる複券主義と、両証券に代えて倉荷証券のみを発行する単券主義とがありますが、日本ではいずれの方法も認める併用主義がとられていまが、実際には倉荷証券のみが利用されています。

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倉荷証券とは、倉庫業者に対する寄託物の返還請求権を表影する有価証券であり、その記載事項は決定されており、裏書を禁ずる旨の記載がない限り、裏書により質入、議渡をすることができ、倉荷証券が発行されると、以降証券によらなければ、寄託物の処分はできず証券の引渡は、寄託物の引渡と同一の効力を有し、また寄託物の返還請求は、証券と引換にのみなし得ることとなります。さらに、倉荷証券は、倉庫業者が寄託契約に基づき、寄託物を受領したことを原因として発行される要因証券ですが、一方で法は、倉庫業者と証券所持人の間においては、寄託に関する事項は、証券に記載してあるところによるとしているので、倉庫業者が実際に受取った品物と証券の記載が違う場合、倉庫業者の責任内容が問題となります。学説は分れていますが通営の寄託契約においては、免責約款が付されています。
複券主義をとる場合について、法は質入の方法を定めていますが倉荷証券については規定がありません。そこで、倉荷証券により質入をするには、債権者と質権設定者との間で質権設定契約を結ぶとともに、証券に裏書をしてこれを債権者に引渡す方法によることになります。倉荷証券には、手形小切手のように質入裏書の制度がないので、裏書は単純な裏書による他なく、質権設定のためであることを付記する必要はありません。つまり倉荷証券の引渡は、証券の物権的効力により、質権の目的物である寄託物そのものが質権者に引渡されたと同じ効力をもつものであり、質権設定契約に基づく証券の裏書き交付により、寄託物の上に質権が設定されたことになります。対抗要件は証券の継続占有になります。
債務者が債務の弁済をしない限り、証券は債権者のもとに留め置かれているので、質権設定者は倉庫業者から寄託品の返還を受けることができませんが、法は質権者の承諾がある場合には寄託品の一部を倉出しする制度を認めています。この場合には、倉庫業者は返還した物の種類、数量等を証券に記載することになっているために、質権者は証券を倉庫業者に呈示しなければなりません。そこで、この手間を省くため、取引界においては、あらかじめ質権者と倉庫業者の間で契約を結び、質権設定者から一部倉出しの申出を受けたときには、質権者は倉庫業者に対する出庫請求書を発行して、これを質権設定者に交付し、質権設定者はこれにより倉庫業者から一部倉出しを受ける方法がとられています。期根に債務者が弁済をしない場合には、質権者は競売の申立をし、他の債権者に優先して弁済を受けることができます。また、被担保債権が商行為により生じたものであるときは、特約により任意処分が許されるので、証券を第三者に譲渡して弁済に充てることもできます。
質権と同じく、当事者間で担保権設定契約を結ぶとともに、証券に裏書して交付することにより成立し、その対抗要件として、譲渡担保権者による証券の継続占有が必要です。
譲渡担保権設定者は、寄託品につき、譲渡担保権の負担のついた所有権を有しているといえますが、倉荷証券を譲渡担保権者に交付しているので、これを第三者に処分することは事実上不可能です。また、期限に債務の弁済がなされないときには、譲渡担保権者は担保目的物をもって弁済に充てることができますが、清算が必要であること、担保権設定者は受戻権を失うまでは、債務を弁清して担保物の取戻をなし得ること等は他の譲渡担保権と同様です。

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