担保物権

民法では担保物権として、留置権、先取特権、質権、低当権の四種を規定しています。いずれも債権者をして債務者または第三者の特定物の上に優先的な支配関係を及ぼさせることによりその債権を担保しようとする制度であって、物的担保権といえます。これらが民法物権編中に規定されているところから、その法律的構成は形式的には物権だということになります。しかし民法上の四種の担保物権は、それぞれ異なる内容を有するために、その本質の統一的把握は困難です。つまり担保物権の本質を物権性に求める見解は、債権者平等の原則を破る先取特権に対しては適切であり、留置権、質権の留置的効力を説明するにも妥当ですが、近代担保制度の主力である抵当権の本質を説くには全く不適当になります。一方で物的担保権を物の交換価値を目的とする権利だと主張する価値権説は、主として近代抵当権の特質に基づいて構成されたものであるために、抵当権の本質を明らかにするに優れ、また質権特に権利質を理解するに適しています。しかし留置的効力を説明するには不適当になります。このように考えてくると近代抵当権の到達した価値権理論をもって、また物権性を真向うから主張して現行担保物権の全てを理解しようとするところに無理があります。現行担保権法の性格では経済社会の発達にともなって目をみはるばかりの発達を示している物的担保制度を機能的にみて理解しなければならず、むしろ物的担保権に新しい地位を与えるような法律秩序が望ましくなっています。

スポンサーリンク

お金を借りる!

債権的財産/ 物権の性質/ 物権の特性/ 物権の対象物/ 債権の性質/ 物権と債権の差異/ 債権の効力/ 債権の本来の効力/ 物権法定の必要性/ 物権法定主義の内容/ 慣習上での物権/ 物権の種類/ 物権の分類/ 占有権は支配する権利/ 所有権の基本物権/ 土地所有権の限界と相隣関係/ 所有権の取得/ 財産を数人で共同所有/ 用益物権/ 担保物権/