財産を数人で共同所有

物質をできるだけ個人所有権の支配の下に置こうとする近代法においては、一物一権主義の建前に立って、一個の物は一人に専属してその専用に供せられるのが通例です。しかしながら近代法では多数人が同一物の上に共同の支配権を有することを排斥するものではありません。一つの所有権は分量的に分たれて数人に帰属でくるのであって、このような関係を名付けて共有といいます。この共有関係は所有権以外の権利、例えば地上権、永小作権、地役権、著作権などが、数人によって所有される場合についても認められます。これを準共有関係といいます。準共有については法令に別段の規定ある場合を除いては、共有の規定が準用されます。

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共有は共同所有の一形態ですが団体的色彩の強い総有や合有とは異なり、共有は個人的色彩の強い共同所有の形態であって、各共有者は物の全部について所有権を有し、ただそれが他の共有者の同一の権利によって減縮せられるにすぎないものです。したがって共有者の有する権利は単独所有権とその性質、内容は異なりません。共有者が共有物について有する分前を持分といいます。民法上の共有者の持分という語には二つの意味があり、一個の所有権の一分子たる存在性を持つ限りにおける共有権そのものを意味する場合と、半分づつ所有するという共有の割合を意味する場合とがあります。前者を持分権と称し、後者を持分の割合といいます。
共有者間の持分の割合は、法律の規定または共有者の意思表示によって定まります。このような方法で定まる場合のほかは、持分の割合は各共有者とも相均と推定されます。持分権は、他の共有者との間の一定の割合による調節制限を除けば、一個の権利として、対内的に所有権と同一の性質を持つために、持分権は弾力性を有し、各共有者は単独に有共有者に対してその持分権の存在を主張し、その持分権を自由に譲渡することができます。民法は対内的な共有者間の権利、義務関係として、共有物の使用、収益、共有物の管理、および費用の分担、共有物の変更、処分、共有関係に基づく債権の特別取扱いに関する規定を設けています。持分権は共有の内部関係におけると同様に、外部関係においても所有権と同一の性質を有するために、各共有者は第三者に対して単独でその持分に応じた権利を主張できます。共有物全体の処分の他あえて共有者全員を代表する必要はありません。
共有関係は元来、分割、可分を前提とする法律関係であるために、共有物の分割は原則として自由であって、何時でも分割の請求ができます。ただし5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約がなされた場合、および共有物がその性質上分割できない場合には、各共有者は分割を請求できません。分割の方法には協議上の分割と裁判上の分割とがあります。分割につき共有者間に協議が調えばそれに従い、協議が調わないときには裁判所によって分割が実現されます。分割は現物分割を原則としますが、それが不可能であるか著しく価格を損じるおそれあるときには、裁判所は競売を命じて、その代価をもって分割させる方法をとることができます。分割をすると、分割した時から共有が変じて単独所有権となります。
分割は共有の法律関係に根本的な変革をもたらすものであるために、民法では分割についての利害関係人を保護するための規定を設けました。共有に関する債権を有する共有者の弁済請求権、分割参加請求権、分割参加請求権者の分割否認権、分割者の担保責任、および分割証書保存義務についての規定がこれになります。

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