所有権の取得

所有権は他の財産権と同様に売買、贈与などの契約や相続による承継取得が多くなりますが、時効などによって原始取得する場合もあります。民法では、このような一般取得原因のほかに、所有権に特有な取得原因として無主物先占、遺失物拾得、埋蔵物発見、添付について規定を設けています。これらは多く原始産業や製造、加工工業にかかわる原始取得の場合です。自己の所有とする意思をもって無主の動産を占有することを無主物先占といいます。これは動産所有権の最も原始的な所有権取得の方法であって、狩猟または漁による鳥獣、魚介類の取得などがこれになります。不動産は、それが無主物であることが確定すると同時に、当然に国家の所有権が発生するために、いわゆる先占による所有権取得は許されません。
遺失物とは、占有者の意思によらずにその所持を離れた物であって、盗品でない物をいいます。遺失物は拾得者が警察署に屈出で、遺失物法の定めるところに従って公示をした後6か月内にその所有者が知れなければ、捨得者がその拾得物の所有権を取得することになります。

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土地その他の物の中に埋蔵していてその所有者が誰なのか容易に識別できない物を埋蔵物といいます。埋蔵物を発見した者は、遺失物法の規定に従って公示をした後6か月内にその所有者が知れなければ、その物の所有権を取得します。埋蔵物が他人の物の中において発見された場合には、発見者とその物の所有者とが析半して所有権を取得します。ただし埋蔵物が学術、技芸、考古の資料であるときは、その所有権は国庫に帰属し、埋蔵文化財については、文化財保護法によって特別な取扱いがなされています。
所有者を異にする二個以上の物が結合して一個の物を生じ、あるいは、ある物が加工されて新たな物となった場合に、これを原状復帰させることが不能、または社会経済上不利な状態となったときに、物の新しい形態を認容することを添付といいます。付合、混和、加工の三つの形態があります。
付合には、不動産付合と動産付合の二つがあります。所有者を異にする不動産に動産が付着してこれを分離することが社会経済上著しく不利な状態となったことを不動産付合といい、付合した物の所有権は不動産所有者に帰属します。動産に動産が付着する場合を動産付合といい、付加した物について主従を区別できる場合には主たる動産の所有者に所有権は帰属し、主従を区別できない場合には、付合の当時における価格の割合に応じて、合成物について共有開係が発生します。
他人の材料を用いまたは他人の物を変更して新たなる物を製作することを加工といい、加工物の所有権は、原則として材料の所有者に帰属します。ただし加工物の価格が材料の価格を超える場合には、加工者に所有権が帰属します。添付の効果として、新たな所有権が発生しますが、その反面、原物上の所有権およびその物の上に存した他の権利は消滅することになります。この当事者間の利害得失の調整を図る必要が生じてきます。そこで、民法では公平の観念に基づき、添付の効果に関する調整として、利害関係人の保護に関する規定及び償金に関する規定を設けています。

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