債権の効力

物権は、いかなる物権かによって各別に固有の効力を持ちますが、物権に共通な一般的効力としては、優先的効力と物権的請求権です。優先的効力は物権の排他性の実視や債権との関係についてのものであり、物権的請求権は、物権侵害に対する救済についてのものです。
たがいに相容れない物権相互間においては、原則として時間的に先に成立したものが後のものに優先し、物権と債権とが同一の物に関して対立している場合は、原則として物権が債権に優先します。このような効力を物権の優先的効力といいます。物権は排他性を持ち、同一目的物上に同一内容の物権が併存できないことは承知のとおりですが、このために数個の物権について優劣を付ける必要があり、その優劣の基準を時の前後にもとめて排他性の実現を全うさせようとするのです。ただ対抗要件をそなえない物権変動は、第三者に対抗できないために、ある物権が先に成立したとしても、この対抗要件を具備しないかぎり後の物権に対して優先的効力を実現することができません。したがって物権の優先的効力は、実際上、対抗要件具備の前後によって決められる事となります。対抗要件をそなえない物権は、排他性をもたず、したがって優先的効力もないものだとする見解もあります。不動産についての物権変動を請求する債権であっても、仮登記を備えると後日物権変動を生じたときに本登記をなすことにより、この本登記の順位は仮登記の順位に遡ることとなるために、結局のところ仮登記してあれば本登記以前に物権を取得した者に対しても優先することになります。不動産賃借権は、登記その他の対抗要件をそなえることにより、物権にも優先する効力を取得します。
物権的請求権とは、物権による目的物の円満な支配が侵害されたとき、この侵害を除去して、本来の支配状態を回復することを請求できる権利です。これには、目的物返還請求権、妨害排除請求権、妨害予防請求権の三形態が考えられます。
この物権の一般的効力としての物権的請求権については、これをみとめる直接の規定はありません。強いていえば、民法197条以下の占有訴権に関する規定が根拠になります。条文上の根拠はどうであれ、そもそも物の支配を内容とする物権が、その実効性を発揮するためには、侵害に対しこれを除去する請求権をともなわなければなりません。他人に奪われた物の返還請求をなしえないというようなことでは、所有権は結局有名無実となってしまいます。このように物権の性格そのものから、物権的請求権の承認が導かれると解されます。

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