物権の対象物

物権は原則として物を目的物とします。法の保護に価する支配関係は、近代法においては結局、径済的価値ある物を対象にするのが適当だからです。ただし例外として、質権や抵当権などの担保物権については、物だけでなく権利の上に物権の成立を認めています。もっとも、これらは通常の物権と異なり、目的物の実体でなくその交換価値を把握する担保物権の時殊性によるものです。物権の目的となる物の形態として、物権が支配権であることから、法律上ではその物が特定し、かつ独立していることが要求されます。
物権の目的である物は、特定物でなければなりません。特定していなければ、これに対する支配は考えられないからです。ジュース1ダースという不特定物については、その支配を移転することを請求する債権は成立しえても、これを直接に支配する物権は成立しません。集合物を所有権や担保物権の目的物となしうるかどうかは、それが特定しうるかどうかにかかわります。
物権は、社会観念上独立した一個の物につき成立するのが原則です。この独立性が要求されるのは,社会観念上一個の物のみを一個の権利の客体とすることが実際の利益に適い、物権取引の安全にも望ましいという理由に基づきます。この物の独立性の理論は、独立した物の一部には物権は成立せず、独立した物の集合体の上に物権は成立しないという原則を導き、いわゆる一物一権主義の法埋にかかわってきます。つまり物権の対象たる物については独立性あるかどうかが問題になります。

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