保全担保

 納税者が消費税を滞納した場合において、その後に納税者に課される消費税の徴収を確保することができないと認められるときは、その納税者に担保の提供を命ずることができ、この命令に応じないときは、納税者の財産に強制的に抵当権の設定ができる。この消費税の徴収確保の措置を保全担保という。
 なお、保全担保の制度は、間接国税の各税法にも、間接税の特殊性にかんがみ、それぞれ規定されている。

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 次に掲げるすべての要件に該当するときは、税務署長は、担保の提供を命ずることができる。
 納税者が消費税を滞納したこと、上記の滞納後において、その者に課すべき消費税の徴収を確保することができないと認められること。
 税務署長は、上記により担保を徴する必要があると認めるときは、所定の事項を記載した書面により、担保の提供を命ずることができる。
 担保の提供命令により指定する金額は、その提供を命ずる月の前月分のその国税の3倍に相当する金額と、前年におけるその提供を命ずる月に対応する月分およびその後2か月分のその国税の合計金額との、いずれか多い金額を限度とする。
 担保の提供命令により指定する担保提供をすべき期限は、担保の提供を命ずる書面を発する日から起算して7日を経過した日以後の日としなければならない。ただし、納税者について繰上げ請求に該当する事実が生じたときは。この期間を短縮することができる。
 納税者が担保の提供命令に応じない場合で一定の要件に該当するときは、納税者の財産で抵当権の目的となるものについて、強制的に抵当権を設定することができる。
 保全担保に係る強制的な抵当権設定の要件は、次のとおりである。
 担保の提供命令を受けた者が、その提供の期限までにその担保を提供しないこと。
 担保の提供命令に係る消費税が、酒税、入場税およびトランプ類税以外の消費税であること。
 納税者の財産が、抵当権の目的となりうるものであること。
 上記により抵当権を設定しようとするときは、その旨を書面により納税者に通知する。この通知があったときは、その納税者は、通知に係る抵当権を設定したものとみなされる。すなわち、納税者の意思いかんにかかわらず、一方的に抵当権設定の効果が生ずることとなる。
 上記により抵当権の設定があった場合には、税務署長は、抵当権の設定の登記を関係機関に嘱託しなければならない。この場合には、上記の設定の通知書が納税者に到達したことを証する書面を添付しなければならず、反面、納税者の承諾書は添付することは要しない。
 税務署長は、次に掲げる場合には、担保を解除しなければならない。
 担保の提供または抵当権の設定があった場合において、担保の提供命令に係る国税の滞納がない期間が継続して3か月に達したとき。
 担保の提供または抵当権の設定があった場合において、担保を提供した者が通刑法第51条第2項の承認を受けて変更に係る担保を提供したとき等、その担保を提供させておく必要がないこととなったとき。
 税務署長は、担保の提供または抵当権の設定があった納税者の資力その他の事情の変化により担保の提供等の必要がなくなったと認めるときは、直ちにその担保を解除することができる。

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