財産の権利移転手続き

 買受人から買受代金の納付があったときは、買受人への売却決定通知書の交付、各種財産の権利移転手続、換価に伴い消滅する権利のまっ消登記手続をしなければならない。この場合における公売財産の権利移転に要する費用は、買受人の負担とされる。
 動産、有価証券および徴収職員が占有している自動車、建設機械は、徴収職員が買受人に引き渡す。ただし、動産等を滞納者または第三者に保管させている場合には、売却決定通知書を買受人に交付する方法により引き渡すことができる。後者の場合には、保管者である滞納者または第三者に対して、その旨の通知をする。

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 有価証券の引渡しの方法は、動産の場合と同様であるが、有価証券の移転につき裏書、名義変更または流通回復の手続を必要とするものについては、一定の期間を指定して滞納者に利権移転に必要なこれらの手続をさせることができる。なお、滞納者が期限までにこれらの手続をしないときは、税務署長が滞納者に代わってその手続をすることができる。
 売却決定通知書を第三債務者に交付するほか、取り上げた債権証書があるときはこれを買受人に引き渡す。
 なお、第三債務者等のある無体財産権等についても、上記と同様である。
 売却決定通知書を買受人に交付し、買受人から権利移転登記の請求があったときは、先に交付した売却決定通知書を提出させるほか、買受人の住所を証する住民票または法人の登記簿の抄本移転登記に必要な登録免府税についての領収証書または印紙および登記嘱託書の郵送に要する郵便切手の提出を求める。そして、登記嘱託書に関係書類を添付して登記所に登記の嘱託をし、関係機関から登記済証の還付を受けたときは、それを買受人に交付する。
 民事執行法においても、たとえば、次に掲げるように徴収法と同旨の権利移転手続を規定している。
 買受人に対する勤産の引渡し、有価証券につき執行官が債務者に代わって行う裏書または名義書換えに必要な行為、債権を売却した場合において、第三債務者に対してする確定目付のある証書による譲渡の通知、裁判所書記官による不動産等についての権利移転の登記の嘱託。
 滞納処分の場合には、売却不動産の権利移転手続としては、登記面の権利移転手続を行うにとどまり、その明渡しについては、買受人が滞納者その他の居住者に立退きを請求して行うこととされている。これに対し、強制執行の場合には、不動産引渡命令の制度がある。すなわち、執行裁判所は、買受人の申立により、不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。この引渡命令は確定すると債務名義となり、執行文の付与を受けて不動産の引渡執行の方法により執行することができる。

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