公売の手続き

 公売は、公売公告、公売の通知に始まり、見積価額の公告をするとともに、公売保証金の微取、入札または競り売りの方法による買受申込み、最高価申込者の決定、入札または競り売りの終了の告知等、売却決定、買受代金の領収の手続を経て、換価財産の権利移転手続により終了する。
 強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合には、配当要求の終期を定めることから始まり、この公告をなし、執行官に対し現況調査を命じ、評価人を選任し、評価を命じ、この評価人の評価に基づく最低売却価額の決定、物件明細書の作成、備置き、売却すべき不動産の表示、最低売却価額ならびに売却の日時および場所等の公告、入札期日等の通知が行われ、買受申出の保証の微取、期日入札における入札、期間入札における入札、競り売りの方法による買受申込、最高価買受申出人の決定、売却許可決定、買受代金の領収の手続を経て、競売不動産の権利移転手続により終了する。

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 差押財産を公売する場合には、公売の日の少なくとも10日前までに公売公告をしなければならない。ただし、公売財産が、不相応の保存費を要し、または、その価額を著しく減少するおそれがあると認めるときは、この期間を短縮することができる。
 公売公告に公告する事項は、公売財産の名称、数量、性質および所在、公売の方法、公売の日時および場所、売却決定の日時および場所、公売保証金を納付させるときは、その金額、買受代金の納付の期限、公売財産の買受人について一定の資格その他の要件を必要とするときは、その旨、公売財産上に質権、抵当権、先取特権、留匠権その他その財産の売却代金から配当を受けることができる権利を有する者は、売却決定の目の前日までにその内容を申し出るべき旨、および以上の事項のほか、公売に関し重要と認められる事項である。
 公売公告は、税務署の掲示場その他税務署内の公衆の見やすい場所に掲示して行う。このほか、他の適当な場所に掲示する方法、官報または時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲げる方法、その他の方法をあわせて用いることができる。
 公告の時期は不動産、船舶、航空機、自動車または建設機械の場合には、裁判所書記官は、入札期日または競り売り期日の2週間前までに公告しなければならない。
 動産の場合には、執行官は、競り売り期日または入札期日を定めたときは、事項を公告しなければならない。この競り売り期日または入札期日は、やむをえない事由がある場合を除き、動産の差押えの日から1週間以上1か月以内の日としなければならないこととされている。
 不動産、船舶、航空機、自動車または建設機械を入札または競り売りの方法により売却をするときは、裁判所書記官は、売却すべき財産の表示、最低売却価額、売却の日時および場所のほか、事件の表示、売却決定期日を閲く日時および場所、買受けの申出の保証の額および提供の方法、一括売却をすることを定めたときは、その旨、法令の規定によりその取得が制限されている財産について、買受けの申出をすることができる者を所定の資格を有する者に制限したときは、その制限の内容、売却財産が不動産であるときは、当該不動産に対して課される租税その他の公課の額、売却財産が不動産または船舶であるときは、物件明細書、現況調査報告書および評価書の写しが入札期日の1週間前までに執行裁判所において一般の閲覧に供するため備え置かれる旨、売却財産が船舶であるときは、船舶の所在する場所を公告しなければならない。
 動産については、執行官は、競り売り期日または入札期日を定めたときは、事件の表示、売却すべき動産の表示、競り売り期日または入札期日を開く日時および場所、法令の規定により取得が制限されている財産について、買受けの申出をすることができる者を所定の資格を有する者に制限したときは、その制限の内容、売却すべき動産を競り売り期日または入札期日前に一般の見分に供するときは、その日時および場所、代金支払の日を定めたときは、買受けの申出の保証の額および提供の方法ならびに代金支払の日、売却すべき動産が貴金属またはその加工品であるときは、その貴金属の地金としての価額を公告しなければならない。
 公告は、公告事項を記載した書面を裁判所の掲示場その他裁判所内の公衆の見やすい場所に掲示して行う。また、裁判所書記官または執行官は、相当と認めるときは、公告事項の要旨を日刊新聞紙に掲載する等の方法により公告することができる。
 なお、売却すべき財産が不動産であるときは、裁判所書記官は、不動産所在地の市町村に対し、公告事項を記載した書面を当該市町村の掲示場に掲示するよう入札期日、入札期間の開始の日または競り売り期日の2週間前までに嘱託しなければならず、船舶執行の場合において、執行裁判所が船籍の所在地を管轄する地方裁判所と異なるときは、執行裁判所の裁判所書記官は、その地方裁判所の裁判所書記官に対し、公告事項を記載した書面を当該地方裁判所の掲示場その他裁判所内の公衆の見やすい場所に掲示するよう、入札期日、入札期間の開始の日または競り売り期日の2週間前までに嘱託しなければならないこととされている。
 公売公告をしたときは、滞納者、公売財産について交付要求をした者、および公売財産上に質権、抵当権、先取特権、留置権、地上権、賃借権その他の権利を有する者のうち知れている者に公売の通知をしなければならない。この公売の通知をするときは、公売財産の売却代金から配当を受けることができる者のうち知れている者に対してその債権の現在額を記載した債権現在額申立書をその財産の売却決定をする日の前日までに提出すべき旨の催告をあわせてしなければならない。
 不動産、船舶、航空機、自動車または建設機械について、入札期日等が定められたときは、裁判所書記官は、差押債権者および債務者、配当要求をしている債権者、当該不動産等について差押えの登記前に登記がされた権利を有する者、知れている抵当証券の所持人および裏書人、およびその他執行裁判所が相当と認める者に対して、入札期日等を開く日時および場所を通知しなければならず、動産の場合には、執行官は、各債権者および債務者に競り売り期日等を開く日時および場所を通知しなければならない。
 差押財産を公売するときは、税務署長は、公売財産の見積価額を決定しなければならない。この場合において、必要と認めるときは、不動産鑑定士等の専門家にその評価を委託し、その評価額を参考とすることができる。
 このようにして決定した見積価額は、次に掲げる区分に従い、それぞれに、掲げる日までに公告しなければならない。
 不動産、船舶および航空機は公売の日から3日前の日。
 競り売りの方法または複数落札入札制の方法により公売する財産は公売の日の前日。
 上記以外の財産で税務署長が公告を必要と認めるものは公売の日の前日。
 見積価額の公告の方法は、公売公告の方法と同様である。ただし、公売財産が動産であるときに限り、その財産に見積価額を記載した用紙をはりつけて、公告に代えることができる。
 この見積価額の公告をする場合において、公売財産上に賃借権または地上権があるときは、あわせてその期限、借賃または地代その他権利の内容を公告しなければならない。
 売却すべき財産が不動産、船舶、航空機、自動車または建設機械であるときは、執行裁判所は、評価人を選任し、これらの財産の評価を命じなければならず、執行裁判所は、評価人の評価に基づいて最低売却価額を定めなければならない。この最低売却価額は、公告事項とされている。
 動産については、執行官は、高価な動産を差し押えたときは、評価人を選任して、その評価をさせなければならず、また、必要があると認めるときは、評価人を選任し、差押物の評価をさせることができる。
 公売財産の買受希望者は、公売公告に記載してある公売の日時内に、入礼者の住所、氏名、公売財産の名称、入札価額等を記載した入札書を封書に入れて徴収職員に差し出さなければならない。この場合において、その提出した入札書の引換え、変更または取消しをすることはできない。
 民事執行における入札は、入札期日に入札をさせた後開札を行う期日入札と、入札期間内に入札をさせて開札期日に開札を行う期間入札の2種類がある。不動産、船舶、航空機の売却については、この両者の入札方法が用いられ、これらの財産以外の財産については、期間入札の方法はとられない。
 期日入札における入札は、入札書に、入札人の表示、代理人によって入札するときは代理人の表示、事件の表示その他の財産を特定するために必要な事項、入札価額を記載して、執行官に差し出す方法により行い、この入札は、変更し、または取り消すことができない。
 期間入札における入札は、入札書を入れて封をし、開催期日を記載した封筒を執行官に差し出す方法またはその封筒を他の封筒に入れて書留郵便により執行官に送付する方法により行う。
 公売に際し、公売保証金の納付を条件とした場合には、公売保証金を納付してからでないと、入札等をすることができない。
 公売をする場合には、公売保証金を納付させることが原則であるが、公売財産の見積価額が20万円以下である場合、買受代金を売却決定の日に納付させるときは、税務署長は、公売保証金を納付しないものとすることができる。
 公売保証金の額は、公売財産の見積価額の100分の10以上で税務署長が定めた額である。この公売保証金は、現金で納付しなければならない。
 期日入札における買受けの申出の保証の額は、最低売却価額の10分の2であるが、執行裁判所は、相当と認めるときは、この額を超える保証の額を定めることができる。
 動産の入札の方法による売却の場合において、執行官が差押物の売却価額が高額になると見込まれるとして入札期日から1週間以内の日を代金支払の日と定めたときは、入札をしようとする者は、執行官に対して、差押物の評価額の10分の2に相当する額の保証を提供しなければならない。
 上記の買受けの申出の保証は、人礼書を差し出す際に、次に掲げるものを執行官に提出する方法により提供しなければならない。
 金銭、銀行または執行裁判所の定める金融機関が自己を支払人として振り出し た持参人払式の一般線引小切手で、呈示期間の満了まで5日以上の期間のあるもの、銀行または執行裁判所の定める金融機関が執行裁判所の預金口座のある銀行を支払人として振り出した持参人払式の一般線引小切手で、呈示期間の満了までに5日以上の期間のあるもの、銀行等が買受けの申出をしようとする者のために一定の額の金銭を執行裁判所の催告により納付する旨の期限の定めのない支払保証委託契約が買受けの申出をしようとする者と銀行等との間において締結されたことを証する文書。
 期間入札における買受けの申出の保証の額は、最低売却価額の10分の2である。この買受けの申出の保証は、執行裁判所の預金口座に一定の額の金銭を振り込んだ旨の金融機関の証明書の文書を、入札書を入れて封をし、開札期日を記載した封筒とともに執行官に提出する方法により提供しなければならない。
 開札は、徴収職員が、入札者を立ち会わせたうえで行う。入札者が開札に立ち会わないときは、税務署所属の他の職員を開札に立ち会わせなければならない。
 民事執行においても、開札にあたっては、入礼者を立ち会わせなければならず、入札者が立ち会わないときは、適当と認められる者を立ち会わせなければならないこととされている。
 入札者がないとき、または入札価額が見積価額に達しないときは、直ちに再度入札をすることができる。この場合においては、見積価額を変更することができない。
 競り売りの方法による公売は、徴収職員が、その財産を指定して買受けの申込みを催告し、買受申込者に、各自口頭により買受けの申出をさせてその財産を換価する方法をいう。この場合において、徴収職員は、競り売り人を選んで、差押財産の競り売りを取り扱わせることができる。
 なお、公売保証金の微瑕および再度競り売りについては、入札の方法による公売の場合と同様である。
 競り売りの方法については、滞納処分の場合と同様であり、買受けの申出の保証の額、提供の方法については、期日入札の場合と同様である。
 差押財産を公売した場合において、見積価額以上の入礼者等のうち最高の価額による入札者等を最高価申込者として定めなければならない。この場合において、最高の価額の入札者等が2人以上あるときは、さらに追加の入札または競り売りの買受申込みをさせて定め、なお同価額であるときはくじで定めて、最高価申込者の決定を行う。
 なお、種類および価額が同じ財産を一時に多量に入札の方法により公売する場合で、複数落札入札制の方法によることとしたときにおいては、特別の最高価申込者の決定の方法をとることとなる。
 開札が終わったときは、執行官は、最高価申出人を定める。この場合において、最高の価額で買受けの申出をした入札人が2人以上あるときは、執行官は、これらの者にさらに入札をさせて最高価申出人を定める。この入社人の全員が入札をしないときは、くじで最高価申出人を定め、さらに行った入札において最高の価額で買受けの申出をした入社人が2人以上あるときも同様にくじで定める。
 なお、民事執行法における特色ある制度として「次順位買受けの申出」の制度がある。これは、最高価買受申出人に次いで高額の買受けの申出をした者は、その買受けの申出の額が、最低売却価額を超え、かつ、最高価買受申出人の申出の額から買受けの申出の保証の額を控除した額を超える場合に限り、売却の実施の終了までに、執行官に対し、最高価買受申出人に係る売却許可決定が買受人が代金を納付しないことにより効力を失うときは、自己の買受けの申出について売却を許可すべき旨の申出をすることができるとするものである。動産を除く財産について適用がある。
 徴収職員は、最高価申込者を定めたときは、直ちにその氏名および価額を呼びあげた後、入札または競り売りの終了を告知しなければならない。
 入札または競り売りの終了の告知をした場合において、公売した財産が不動産、船舶、航空機、自動車、建設機械、債権または電話加人権以外の無体財産権等であるときは、税務署長は、最高価申込者の氏名、その価額、売却決定をする日時および場所を、滞納者および利害関係人のうち知れている者に通知するとともに、これらの事項を公告しなければならない。この公告の方法は、公売公告に準ずる。
 不動産等について、開札が終わったときは、執行官は、最高値申込人を定め、その氏名または名称および入札価額を告げ、かつ、次順位買受けの申出をすることができる入札入かおる場合にあっては、その氏名または名称および入札価額を告げて次順位買受けの申出を催告した後、入札期日の終了を宜しなければならない。動産について開札が終わったときは、執行官は、最高の価額で買受けの申出をした入札人の氏名または名称、入札価額およびその者に買受けを許す旨を告げなければならない。

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