参加差押え

 参加差押えとは、特定の場合に行う交付要求の一種である。参加差押えのできる財産は滞納処分が行われている特定のものであること、参加差押えができる国税は差押えができる国税であることなどが交付要求と異なる点であるが、そのほか、最も大きな相違としては、交付要求は、交付要求をした強制換価手続が解除または取り消された場合にはその効力を失うが、参加差押えは、参加差押えをした滞納処分による差押えが解除または取り消された場合にはその参加差押えの時点に遡って差押えの効力が生ずる点にある。

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 次の要件に該当するときは、参加差押えをすることができる。
 滞納者の財産について、既に滞納処分による差押えがされていること。
 滞納となっている国税について差押えができる場合であること。
 上記の滞納処分による差押えがされている財産が、動産および有価証券、不動産、船舶、航空機、自動車、建設機械、であること。
 参加差押えは、先行の滞納処分の行政機関等に対し、交付要求書に代えて参加差押書を交付することにより行う。
 参加差押えをした場合には、次の措置をとることが必要である。滞納者に対して参加差押通知書により通知しなければならない。
 参加差押えをした財産が不動産、船舶、航空機、自動車または建設機械であるときは、参加差押えの登記を関係機関に嘱託しなければならない。
 参加差押えに係る財産上の知れている質権者等に対して、書面により通知しなければならない。この場合において、その参加差押えに係る財産につき仮登記がされており、かつ、当該仮登記が担保のための仮登記であると認められるときは、上記の当該担保のための仮登記の権判者に対する通知にその旨を付記しなければならない。
 参加差押えの本質は交付要求であるから、その本来の効力としては、先行の滞納処分手続から配当を受けうることである。
 なお、時効中断、交付要求先着手による優先権の効力があることは、交付要求の場合と同様である。
 参加差押財産の先行の滞納処分による差押えが解除または取り消された場合には、参加差押えがされたもの、参加差押えをした財産が動産、有価証券であるときは、最も先に参加差押えがされたものは、次に、掲げる財産の区分に応じ、それぞれに掲げる時に遡って差押えの効力を生ずる。
 動産および有価証券は参加差押書が滞納処分による差押えをした行政機関等に交付された時。
 不動産、船舶、航空機、自動車および建設機械は参加差押書が滞納者に送達された時か、参加差押えの登記がされた時か、いずれか早い時。
 鉱業権は参加差押えの登録がされた時。
 滞納処分による差押えがされている財産に対して強制執行等による差押えがされている場合において、滞納処分による差押えを解除すべきときで、強制執行等による差押え前に参加差押えがされたときは、上記で述べた参加差押えに係る滞納処分による差押えの効力の発生は、滞調法の適用については、強制執行等による差押えの時以前に遡らないものとされていることに留意する必要がある。
 先行の滞納処分による差押えを解除し、または取り消した行政機関等は、差押えに転換した参加差押えの行政機関等に対して、その対象財産が動産または有価証券であるときは、それを引き渡さなければならない。差し押えた自動車または建設機械で、徴収職員が占有しているものについても同様である。この参加差押えをした行政機関等に財産を引き渡すべきときは、先行の行政機関等は、参加差押えをした行政機関等に対してすみやかに動産等の引渡しをする旨等を書面で通知しなければならない。この場合において、その財産を徴収職員以外の者に保管させており、その保管者から直接引渡しをさせようとするときは、上記の通知書にその旨を付記するとともに、保管者にあてたその行政機関等への動産等め引渡しをすべき旨の書面を添付しなければならない。
 上記により動産等を引渡した場合において、質権者等および交付要求をしている者に差押解除の通知をするときは、参加差押権者へ動産等の引渡しをした旨をあわせて通知しなければならない。
 先行の差押えを解除する場合において、参加差押えが2以上あるときは、参加差押書またはその写、差押えに関して法令の規定により提出された書類で、滞納処分に関し必要なものを参加差押えをした行政機関等に引渡さなければならない。
 なお、滞納処分による差押えがされた動産について強制執行による差押えが行われ、滞納処分による差押えを解除する場合において、滞納処分による差押えの際に債権者および債務者以外の第三者が占有していたものをこの者が執行官に引き渡すことを拒んでいるものにつき、参加差押えをしている徴収職員等に引き渡したときは、執行官から交付された「差押書」を徴収職員等に引き渡すとともに必要な事項を執行官に通知しなければならない。
 上記の引渡通知を受けたときは、徴収職員は、遅滞なく、その通知に係る動産等を受け取らなければならない。
 参加差押えが二以上あった場合において、差押えに転換した参加差押えに係る行政機関等に対して、他の参加差押書その他の書類が引き渡されたときは、その差押えの効力を生じなかった参加差押えは、参加差押えをした時に遡って、差押えに転換した参加差押えの行政機関等に対して参加差押えをしたものとみなされ、また、引き渡された書類もその行政機関等に提出されたものとみなされる。
 参加差押えをした場合において、先行の滞納処分による差押財産が相当期間内に換価されないときは、すみやかにその換価をすべきことを先行の滞納処分による差押えをした行政機関等に催告することができる。
 参加差押えの制限および解除の請求については、通常の交付要求の場合と同様である。
 参加差押えを解除する場合は、通常の交付要求の場合と同様である。
 参加差押えの解除は、その旨を先行の滞納処分による差押えをした行政機関等に通知することにより行うほか、滞納者および質権者等に対して解除の通知をする点は、いずれも通常の交付要求の場合と同様である。そのほか、参加差押えの解除に特有の手続として、参加差押えの登記があるときは、そのまっ消の登記を関係機関に嘱託しなければならないことがある。

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