滞納処分による差押えがされている不動産に対する強制執行

 強制競売の開始決定は、滞納処分による差押えがされている不動産に対してもすることができる。
 滞納処分による差押えがされている不動産に対し強制競売の開始決定があったときは、裁判所書記官から、滞調規則第15条の規定による書面(強制競売開始決定通知書)により、徴収職員に通知されることとなっている。
 二重差押えがされた不動産については、民事執行法第49条(開始決定および配当要求の終期の公告等)の規定による手続その他売却のための手続は、強制執行続行の決定があったときを除き、滞納処分による差押えが解除された後でなければ、することができない。

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 二重差押えがされた不動産について滞納処分による差押えを解除すべき場合において、その不動産について強制競売の開始決定前に参加差押えがされているときは、その参加差押えに係る滞納処分による差押えの効力の発生は、強制競売の開始決定以前に遡らないものとされる。
 徴収職員は、二重差押えがされた不動産について滞納処分による差押えを解除したときは「差押及び交付要求解除(通知)書」で、その旨を執行裁判所に通知しなければならない。
 徴収職員は、上記により執行裁判所に滞納処分による差押えを解除した旨の通知をした場合において、徴収法第81条の規定により、同法第55条各号に掲げる者のうち知れている者および交付要求をしている者に対して差押解除の通知をするときは、その不動産につき強制競売の開始決定がされている旨をも通知しなければならない。
 二重差押えがされた不動産について、強制競売の申立てが取り下げられたとき、または強制競売の手続を取り消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その旨を徴収職員に対し滞調規則第17条に規定する事項を記載した書面(強制競売終了通知書)により通知することとされている。
 二重差押えがされた不動産の滞納処分による売却代金について滞納者に交付すべき残余が生じた場合または生じなかった場合には、滞納処分による差押えがされている動産に対する強制執行で述べたところに準じて処理する。この場合には、同所で「執行官」とあるのは「執行裁判所」と読み替えることに留意する。
 登記官は、二重差押えがされた不動産について公売処分による権利移転の登記をしたときは、強制競売に係る差押えの登記をまっ消しなければならない。
 強制執行続行の決定の申請ができる場合、強制執行続行の決定および強制執行続行の決定の効果については、滞納処分による差押えがされている動産に対する強制執行に関する規定が準用されている。
 なお、強制執行続行の決定があった場合には、徴収職員は、徴収法第55条各号に掲げる者のうち知れている者および交付要求をしている者に対し、その旨およびその他必要な事項を通知しなければならない。
 仮差押えの執行は、滞納処分による差押えがされている不動産に対してもすることができる。不動産に対する仮差押えの執行は、仮差押えの登記をする方法または強制管理の方法にれらの方法の併用を含むことにより行われるが、滞調法の適用上は、仮差押えの登記をする方法によるものに限られる。
 滞納処分による差押え後に仮差押えの執行がされた不動産について、仮差押えの申請が取り下げられたときまたは仮差押えの執行を取り消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官から、その旨を徴収職員に滞調規則第21条第1項において準用する滞調規則第17条に規定する事項を記載した書面により通知されることとなっている。
 滞納処分による差押えがされている不動産に対して仮差押えの執行がされている場合において、滞納処分による差押えを解除したときは「差押及び交付要求解除(通知)書」により仮差押えの執行裁判所に通知しなければならない。
 徴収職員は、上記により仮差押えの執行裁判所に対し滞納処分による差押えを解除した旨の通知をした場合において、その不動産につき参加差押えをしている徴収職員等に対し徴収法第81条の通知をするときは、その不動産につき仮差押えの執行がされている旨をも通知しなければならない。
 滞納処分による差押え後に仮差押えの執行をした不動産の滞納処分による売却代金について滞納者に交付すべき残余を生じたときは、徴収職員は、これをその不動産に対する強制執行について管轄権を有する裁判所に交付しなければならない。
 なお、上記により裁判所が交付を受けた金銭は、仮差押えの執行がされている不動産を他の債権のための強制競売により売却した場合における売却代金とみなされる。
 滞納処分による差押えがされている不動産を目的とする競売については、滞納処分による差押え後に強制執行による差押えがされた不動産に関する規定に準じて処理する。

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