強制執行による差押えがされている債権に対する滞納処分

 強制執行により差し押えられている債権について払滞納処分により二重に差し押えることができる。
 強制執行による差押えがあることを知ったときは、徴収職員は、滞納処分による差押えをした旨を執行裁判所に通知しなければならない。ただし、裁判所書記官から、第三債務者から供託に係る事情届があった旨の通知を受けたときは、執行裁判所に対し滞納処分により差押えをした旨の通知をする必要はないが、徴収職員は、すみやかに滞納処分による差押えに係る国税の年度、税目、納付の期限および金額を記載した書面を執行裁判所に送付しなければならない。

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 差押競合の条件付等債権または差押競合債権で動産の引渡しを目的とするものを滞納処分により差し押えた場合において、強制執行による差押命令が発せられていることを知ったときは、徴収職員は、執行裁判所に対し滞納処分による差押えをした旨の通知および交付要求をする。
 強制執行による差押えがされている動産の引渡しを目的とする債権につき滞納処分による差押えをした場合において、執行官が差押債権者から動産の引渡しを受けるべき旨の申立てを受けていることを知ったときに、徴収職員は、滞納処分による差押えをした旨をその執行官に通知しなければならない。
 差押競合債権で権利の移転につき登録を要する登録社債等について、滞納処分による差押えの登録をした場合において、その債権につき強制執行による差押えの登録があるときは、登録関係機関はその旨を徴収職員に通知することになっている。この通知を受けた場合には、徴収職員は、執行裁判所に対し滞納処分による差押えをした旨の通知および交付要求をする。
 強制執行、滞納処分の順序で差押えがされ第三債務者が供託をした場合において、その供託金について執行裁判所が配当をするときは、配当期日等までに、滞納処分による差押えをした旨の通知または供託に伴う事情届がされた差押えに係る国税は、その差押えの時に交付要求がされたものとみなされる。
 なお、上記のみなし交付要求についても、徴収法第85条に規定する交付要求の解除の請求ができることに留意する。
 債権の一部について強制執行による差押えがされている場合において、その残余の部分を超えて滞納処分による差押えがされたときは、強制執行による差押えの効力はその債権の全部に及ぶことになる。
 強制執行による転付命令または譲渡命令が第三債務者に送達される時までに、その紀行命令等に係る債権につき滞納処分による差押えがされたときは、転付命令等はその効力を生じない。
 民事執行法第157条(取立訴訟)の規定は、金銭債権につき、強制執行による差押え後に滞納処分による差押えがあった場合において、徴収職員または差押債権者が取立訴訟を提起したときに準用される。この規定は、競合する差押債権者がいる場合に、1人の債権者が提起した取立訴訟の判決は、他の債権者に既判力を及ぼさないところから、1回の訴訟で紛争の解決を図ろうという趣旨から設けられたものである。
 この取立訴訟については、次の点に留意する。
 強制執行による差押えがされている金銭債権につき、滞納処分による差押えをした場合には、徴収職員は、取立訴訟を提起することができる。
 取立訴訟の判決の効力は、受訴裁判所から共同訴訟人として参加すべきことを命じられた徴収職員(または差押債権者)に対しては、仮にその取立訴訟に参加しなくても及ぶ。
 徴収職員が取立訴訟を提起した場合においても、その請求が認容されるときは、第三債務者は請求に係る金銭の支払は供託の方法によってしなければならない。
 上記の場合において、第三債務者が供託をしないときは、その判決に基づき行った強制執行により徴収職員が配当等として受けるべき金銭は、供託される。この供託に係る金銭の配当等は、執行裁判所における配当手続によって行われ。
 強制執行による差押えがされている動産の引渡しを目的とする債権につき滞納処分による差押えをしたときは、徴収職員は、強制執行による差押命令の申立てが取り消された後または差押命令を取り消す決定が効力を生じた後でなければ、その債権の取立てをすることができない。
 差押競合の条件付等債権について、公売その他滞納処分による売却のための手続は、滞納処分続行承認の決定があったときを除き、強制執行による差押命令の申立てが取り下げられまたは差押命令を取り消す決定が効力を生じた後でなければすることができない。
 差押競合債権で動産の引渡しを目的とするものにつき強制執行による差押命令の申立てが取り下げられた場合、差押命令を取り消す決定が効力を生じた場合または滞納処分続行承認の決定があった場合において、執行官が既にその動産を占有しているときは、執行官は、その動産を徴収職員に引き渡さなければならない。ただし、徴収職員が執行官に対し滞納処分による差押えをした旨の通知をしていない場合は、この限りでない。
 上記の場合において、徴収職員は執行官から動産の引渡しをする旨の通知を受けたときは、第3款3の4に準じて処理をする。
 差押競合債権につき強制執行による差押命令の申立てが取り下げられた場合、差押命令を取り消す決定が効力を生じた場合または滞納処分続行承認の決定があった場合において、供託書正本または債権証書が既に執行裁判所に提出されているときは、裁判所書記官は、これらを徴収職員に引き渡さなければならない。
 徴収職員は、差押競合債権について強制執行による差押命令の申立てが取り下げられた旨または差押命令を取り消す決定が効力を生じた旨の通知および滞納処分続行承認の決定があった旨の通知を裁判所書記官から受けたときは、その旨を執行裁判所に交付要求をしていた徴収職員で上記の通知書に記載されている者に通知しなければならない。
 徴収職員は、滞納処分による差押えをした旨の通知または第三位務者の供託に伴う事情届に係る差押国税について、滞納処分による差押えを解除したときは、その旨を執行裁判所に通知しなければならない。
 徴収職員は、強制執行による差押えがされている動産の引渡しを目的とする債権につき滞納処分による差押えをし、滞訓令第29条第3項の規定によりその旨を執行官に通知をした場合において、滞納処分による差押えを解除したときは、その旨を執行官にも通知しなければならない。

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