強制執行続行の決定

 差押債権者または民事執行法第125条第3項前段の規定により配当要求の効力を生じた申立てに係る債権者は、次に掲げる場合には、二重差押えがされた動産について、執行裁判所に強制執行続行の決定を申請することができる。
 法令の規定またはこれに基づく処分により滞納処分の手続が進行しないとき。
 「法令の規定により滞納処分の手続が進行しないとき」とは、次に掲げる国税について、それぞれに掲げる期間である。

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 所得税法第2編第5章第1節(予定納税)の規定により納付すべき所得税、その年分の所得税に係る確定申告期限までの期間。
 国税に関する法律に基づく処分に対する不服申立てに係る国税、その不服申立ての係属する期間。ただし、差押財産の価額が著しく減少するおそれがあるときまたは不服申立人から別段の申出があるときは、この限りでない。
 納税者の国税を第二次納税義務者から徴収する場合におけるその第二次納税義務者の納付すべき国税。
 その納税者の財産を換価に付するまでの期間。ただし、第二次納税義務者の財産の価額が著しく減少するおそれがあるときを除く。
 第二次納税義務者が徴収法第32条第1項の告知、同条第2項の督促もしくこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起したときは、その訴訟が係属する期間。
 納税者の国税を保証人から徴収する場合における保証人の納付すべき国税。
 国税に関する法律の規定により担保を提供した者の財産を換価に付するまでの期間。
 ただし、保証人の財産の価額が著しく減少するおそれがあるときを除く。
 保証人が通則法第52条第2項の告知、同条第3項の督促またはこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起したときは、その訴訟が係属する期間。
 担保のための仮登記または仮登録のある財産を差し押えた場合の徴収法。
 第55条第2号の通知に係る国税、その通知に係る差押えにつき訴えが提起されたときは、その訴訟の係属する期間。
 徴収法第24条第1項の規定により譲渡担保財産から徴収する滞納者の国税。
 その納税者の財産を換価に付するまでの期間。ただし、譲渡担保財産の価額が著しく減少するおそれがある場合を除く。
 徴収法第24条第2項前段の告知、またはこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えが提起されたときは、その訴訟の係属する期間。
 徴収法弟50条第3項の申立てがあった場合において、その申立てに係る財産が換価の著しく困難なものおよびその申立者以外の第三者の権利の目的となっているもの以外のものであるときのその申立てに係る国税、その申立てがあったときからその申立てに係る財産を換価に付するまでの期間。
 会社更生法第102条の規定により更生債権とされた国税または同法第123条第1項の規定により更生担保権とされた国税、同法第67条第2項の規定による滞納処分または担保財産の滞納処分の例による処分の中止期間。
 「法令の規定に基づく処分により滞納処分の手続が進行しないとき」とは、次に掲げる国税について、それぞれに掲げる期間である。
 適用法第46条第1項から第3項までまたは会社更生法第122条第1項の規定による納税の猶予がされている場合のその猶予に係る国税、その猶予期間。
 適用法第23条第5項ただし書、所得税法第118条等の規定による徴収の猶予がされている場合のその猶予に係る国税、その猶予期間。
 徴収法第151条第1項または会社更生法第122条第1項の規定による換価の猶予がされている場合におけるその猶予に係る国税、その猶予期間。
 会社更生法第37条第2項の規定により滞納処分の中止を命ぜられた場合におけるその中止に係る国税、その中止期間。
 行政事件訴訟法第25条第2項本文の規定により執行の停止を命ぜられた処分に係る国税、その停止期間。
 通則法第105条第1項または第6項の規定による滞納処分の続行の停止がされている場合におけるその停止に係る国税、その停止期間。
 徴収法第159条第1項、適刑法第38条第3項の規定による保全差押えまたは繰上げ保全差押えがされているとき。
 相当期間内に公売その他滞納処分による売却がされない場合において、すみやかに売却をすべきことを徴収職員に催告したにかかわらず、その催告の効果がないとき。
 裁判所は、強制執行続行の決定の申請があった場合において、相当と認めるときは、強制執行を続行する旨の決定をしなければならない。裁判所は、強制執行続行の決定をするには、あらかじめ徴収職員の意見をきかなければならないこととされているが、これは、裁判所は意見を求めれば足りるのであって、徴収職員の同意は要件ではないと解される。なお、裁判所は、強制執行続行の決定をするには、債務者を審尋しなければならない。
 この強制執行続行の決定は、徴収職員に告知することによってその効力を生ずる。なお、強制執行続行の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
 強制執行続行の決定があったときは、滞納処分による差押えは、強制執行による差押え後にされたものとみなされる。
 強制執行続行の決定があった場合には、徴収職員は、二重差押えがされた動産について滞納処分による差押えを解除する場合に準じて、執行官への引渡し等を行う。
 強制執行続行の決定があったときは、徴収職員は、滞納処分による差押えに係る国税および滞納処分費を徴収するには、執行官に交付要求をしなければならない。
 執行官に交付要求をした差押国税等は、徴収法第12条の規定が適用されるので、他の交付要求をした国税および地方税に優先して徴収することができる。

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