滞納処分による差押えがされている動産に対する強制執行

 強制執行による差押えは、滞納処分による差押えがされている動産に対してもすることができる。
 滞納処分による差押えがされている動産に対する強制執行による差押え(二重差押え)は、執行官が「差押書」を徴収職員に交付することにより行う。
 二重差押えがされた動産については、入札、競り売りその他強制執行による売却のための手続は、強制執行続行の決定があったときを除き、滞納処分による差押えが解除された後でなければ、することができない。

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 二重差押えがされた動産について滞納処分による差押えを解除すべきときは、徴収職員は、すみやかに「差押財産引渡通知書」により執行官に通知をしたうえで、その動産を執行官に引き渡さなければならない。執行官は、動産の引渡しを受けたときは、すみやかに、その旨を徴収職員に通知することとされている。
 なお、徴収職員は、執行官に動産の引渡しをした場合において、徴収法第81条の規定により質権者等へ差押解除の通知をするときは、執行官への動産の引渡しをした旨を通知しなければならない。
 滞納処分による差押えの際債権者および債務者以外の第三者が占有していた動産で、その者が執行官に引き渡すことを拒んだものについては、執行官に引き渡すことを要しない。執行官は、上記の第三者が執行官に引き渡すことを拒んだ場合には、徴収職員にすみやかに通知することとされているので、この通知を受けたときは、徴収職員は、その動産について参加差押えがされているときを除き、滞納処分による差押えを解除し、動産をその第三者に引き渡さなければならない。このようにして差押えが解除された場合には、強制執行による差押えは、その効力を失うこととなる。
 執行官から上記の通知を受けた場合において、その動産につき参加差押えがされているときは、徴収職員は、その参加差押えをしている徴収職員等にその動産を引き渡さなければならない。これは、第三者が執行官に引き渡すことを拒んだ動産に対して、強制執行による差押え後に参加差押えがされているときは、強制執行による差押えは、参加差押えに係る滞納処分による差押え後にされたものとみなされることによるからである。
 なお、上記により二重差押えがされた動産を参加差押えをしている徴収職員等に引き渡したときは、滞調法第3条第2項の規定により交付された「差押書」をその徴収職員等に引き渡すとともに「差押財産引渡済通知書」を執行官に交付しなければならない。
 二重差押えがされた動産について滞納処分による差押えを解除すべき場合において、滞納処分による差押えの際第三者が占有していた動産で、その者が執行官に引き渡すことを拒んだものを除き、その動産について強制執行による差押え前に参加差押えがされているときは、その参加差押えに係る滞納処分による差押えの効力の発生は、強制執行による差押えの時以前に遡らないものとされる。
 二重差押えがされた動産の滞納処分による売却代金または有価証券の取立金について滞納者に交付すべき残余が生じたときは、徴収法第129条第3項の規定にかかわらず、これを執行官に交付しなければならない。
 徴収職員が残余金を執行官に交付するときは「残余金交付通知書」および徴収法第131条の「配当計算書」に記載すべき事項を記載した「残余金計算書」を執行官に交付しなければならない。
 上記により執行官が交付を受けた金銭およびその交付を受けた時は、配当または弁済金の交付に関しては、それぞれ動産の強制執行による売得金および売得金の交付を受けた時とみなされる。
 残余金が生じなかった場合には、徴収職員は「残余金皆無通知書」を執行官に送付しなければならない。この場合には「残余金計算書」を「残余金皆無通知書」に添付する実務取扱いとされている。
 二重差押えがされている動産について、強制執行による差押えを取り消すときは、執行官は、その旨を記載した「差押取消書」を徴収職員に交付することにより行う。

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