差押物の評価

 差押物の評価は、第一次的には執行官が行う。この場合は執行官の自由な判断によるが、大体当該物件の売買価額を基準としてその経過年数、耐用年数を勘案して減額する方法によるのが一般的な取扱いのように思われるが、なお、債権者、債務者その他の関係人の意見を参酌して決めることができる。
 具体的には例えば、テレビなど購入後幾らも日数が経過しないものでも、市価の五割程度、その他の中古品は購入後の経過年数により市価の半値以下と評価するが如きです。
 執行官は、いったん差押物を評価した後においても、売却の際などにその評価額について債権者、債務者等から異なった意見が提出された場合は、当該差押物を点検の上評価し直すことができる。

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 差押物のうちに高価な動産があるときは、差押時に執行官が一応評価した上、その後換価に先だち評価人を選任してその動産の評価をさせなければならない。高価な動産とは、宝石、貴金属、書画、骨とう、精密機械その他社会通念上特に高価と考えられている物のことをいう。したがって高額な機械類というだけでは高価な動産とはいえない。差押物が個々的には高価な物でなくても、集合すれば高価物と同様に取扱うべき場合もある。貴金属又はその加工品は、地金としての価額未満で売却することができないから、物としての価額のほか、地金としての価額をも評価させる必要がある。
 評価人は、執行官が相当と認める者であれば足り、特別の資格等の制限はないが、目的物の品目に応じ、十分な評価能力を持つ者を選任しなければならない。
 評価人として相当と認められる者としては、例えば、貴金属商、書画・骨とうの鑑定家、機械類については専門技術員などが考えられる。
 評価人は必要と認めるときは、二名以上の者に対し共同又は別個に評価させることができる。評価の依嘱は、書面によってするのが相当です。
 評価人は、差押物の評価をしたときは、評価書を執行官の定めた日までに執行官に提出しなければならない。評価書は適宜の方式による。
 評価人には日当、旅費、宿泊料及び報酬が支給される。日当、旅費、宿泊料の額は、執行官の手数料及び費用に関する規則三九条、四〇条一項、二項に規定されている。報酬は同規則四〇条三項によりその実費を支払わなければならない。
 執行官は、高価な動産でない物でも必要があると認めるときは、評価人を選任して、差押物の評価をさせることができる。
 評価が必要な場合としては、差押物が特殊な品物又は一般に取引されることが少ない物であるために評価が困難である場合、高価物であるかどうかが疑わしい場合、価額についての評価人の意見が著しく異なる場合等が考えられる。高額な差押物は前述のようにそれだけでは高価な動産とはいえないが、しかしこのような差押物は、一般に執行官の評価のみによることかく、評価人を選任して評価させるのが相当です。
 動産執行は、目的物を差押えて換価し、売得金を債権者に交付することによって行われるが、差押えの目的物が強制通用力を有する内国通貨であるときは、換価の必要がないから、執行官は差押え後速やかに債権者に対し執行債権及び執行費用の範囲内において交付しなければならない。債権者に配当の協議をさせるとき、執行か二時停止すべきとき、その他執行官が職務の執行として差押え又は交付を受けた金銭を直ちに引渡すことのできない事由があるときは、執行官はその保管のためこれを所属の地方裁判所に提出しなければならない。
 所属の地方裁判所に提出する場合には、保管金提出書に所要の事項を記入し、提出者欄に記名押印した上、差押金銭を添えて取扱主任官に提出する。

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