期日入札調書の記載事項

 期日入札調書には、次に掲げる事項を記載しなければなりません。
 不動産の表示、売却する不動産を特定して記載する。開始決定に記載される程度で足り、現況を併記することは必ずしも必要ではあません。物件が複数あるため、記号又は符号により物件を特定して入札書に記載させた場合には、その記号又は符号をも記載します。
 入札の催告をした日時及び入札を締め切った日時。
 最高価買受申出人及び次順位買受申出人並びに代理人の表示、これらの者の氏名又は名称及び住所(法人の場合は主たる事務所、本店の所在地)を記載する。
 最高価買受申出人及び次順位買受申出人の入札価額及び買受けの申出の保証の提供方法、保証として提出されたものは、保管金又は民事保管物に準ずるものとして会計係に提出され、執行記録に残らないので、これを調書に記載しておく必要がある。
 適法な入札がなかったときは、その旨、入札行為はあったが、それが不適法である場合は適法な入札がなかったときに当たる。例えば債務者が入札したとか、入札価額が最低売却価額を下回っているとかのごときで、この場合にはその旨を付記する。
 入札をした者が立会わないため入札をした者以外の者を開札に立会わせたときは、その者の表示、立会わせた者が裁判所職員のときは、その氏名及び職名を、それ以外の者のときは、その氏名及び住所を記載する。
 最高価買受申出人を追加入札若しくはくじで定めたとき又は次順位買受申出人をくじで定めたときは、その旨、追加入札については、入札の催告及び締切りの時刻を記載する。
 民事執行法六五条に規定する売却の適正な実施を妨げる行為をした者に対し売却の場所への立入りの制限等の措置を採ったときはその理由及び採った措置、採った措置は、入場制限、退場、買受け申出の禁止のうちのいずれかを明らかにする。この場合その措置を採るため具体的にどのような手段を講じたかまでは記載することを要しないが、措置を採るため民事執行法六条一項の規定により抵抗を排除したときは、そのことも記載するのが相当であるとされている。理由については、民事執行法六五条各号に該当する事実を明らかにして記載すべきです。なお、同法一号に該当する場合は、不正行為を具体的に記載すべきです。

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 執行官は、入札期日終了後に最高価買受申出人及び次順位買受申出人又はこれらの代表者若しくは代理人に、期日入札調書に署名押印させなければならない。署名押印を求める調書は完成していることが望ましいが、本条項の調書とは作成中の未完成のものも含む趣旨と解されている。完成した調書でなければならないと解するとすれば、この者等に日を改めて出頭を求めなければならないことになるからです。
 最高価買受申出人等が署名押印を拒絶したとき又は署名押印を求める前に退場してしまったときは、執行官は、その事由を調書に記載しなければならない。
 期日入札調書には、入札書を添付しなければならない。調書の記載を補うと同時に、入札手続が適正に行われたことを明らかにする趣旨です。
 そのほか、入札期日終了後執行官が返還した買受申出の保証の受取書も調書に添付することになっている。
 執行官は、執行裁判所が農地等について買受けの申出をすることができる者を行政庁の交付した買受適格証明書を有する者に限定した場合に、最高価買受申出人が農地法三条一項等の規定による許可の申請をするため、期日入札調書の謄本の交付を申請した場合には、その調書の謄本を交付しなければならない。
 最高価買受申出人又は次順位買受申出人にならなかった入札人から、執行官の入札期日の終了宜言後直ちに保証金等の返還の申出があったときは、執行官は、遠やかに保証金等を返還しなければならない。この場合通常は売却場において直ちに返還する。保証は、執行官に提出する方法により行うので、執行官の手元にある間は、執行官から直接返還する便法を認めるのを適当とするからです。
 保証金等の返還請求が期日終了直後にされなければならないのは、執行官は期日終了後に保証金等の返還の手続に引き続いて、返還しなかった保証金等を執行裁判所に提出の手続をすることになるからです。期日終了直後に返還の申出をしなかった者は、執行裁判所に返還を請求することになる。
 最高価買受申出人が代金を納付すると、次順位買受申出人の買受けの申出は、目的不到達により確定するので失効するから、次順位買受申出人は、納付した保証金等は執行裁判所に返還請求をすることになります。
 執行官は、保証金等を返還したときは、受取書を徴し、これを期日入札調書に添付しなければならない。これにより執行裁判所が、保証金等の返還の有無を故知できるからです。
 執行官は、最高価買受申出人及び次順位買受申出人の保証金等と、入札人から返還の申出がなかったため返還しなかった保証金等については、速やかに執行裁判所に提出しなければならない。期日入札調書も速やかに作成して執行裁判所に提出すべきであるから、保証金等は調書と同時に提出することが望ましい。しかし調書はその作成に時間を要することがあるので、執行官としては、保証金等は長時間手元に保管していることは望ましい状態ではないところから、その場合は調書とは別に迅速に執行裁判所に提出すべきです。
 執行裁判所の売却実施命令に基づく執行官の職務は、期日入札調書と保証金等を執行裁判所に提出したときに終了する。

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